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ホワイトニング

ホワイトニングとは

 歯科における「ホワイトニング」とは、広い意味では「歯を白くする行為」全てを指します。
例えば、「歯のクリーニング(歯に付着した茶渋などの着色を除去する)」「ブリーチング(歯牙漂泊)」「セラミッククラウン(白い素材の補綴物)」「ラミネートベニア(歯の表面に白い素材を付け爪のように張り付ける)」「歯のマニキュア」などの多くの処置をホワイトニングと言うことができます。

ここでは、狭い意味での「ブリーチング(歯牙漂泊)」についてご紹介します。

*ホワイトニングの歴史*
 歯を美しくするデンタル・エステティック(審美歯科)という概念は1960年代にアメリカで生まれました。
その後、歯科医院でのホワイトニングは、アメリカでは1980年代から行われてきましたが、ここ数年の間に日本での関心も急激に高まっています。
CMなどの影響により日本人の歯の美意識が大きく変わったこと、価格がリーズナブルになってきたことなども大きな要因で、近年ではメイク、スキンケア、ヘアスタイルに続く美容の一つとして、歯のホワイトニングにも注目が集まっています。
最近では、「口元の清潔感が増すことで第一印象が良くなり、有利である」との理由でホワイトニングを行う、就職活動中やビジネスマンの男性も、若い方を中心に増えてきています。

ホワイトニングの種類

 ホワイトニング(ブリーチング)には、無髄歯(神経を取った歯)に行う「ウォーキングブリーチ」と、有髄歯(神経を取っていない歯)に行う「オフィスブリーチ」「ホームブリーチ」があります。
いずれの漂白法においても多少の後戻りをする可能性がありますので、白さを維持する為には定期的に歯科医院を受診し、チェックとクリーニング、必要に応じて再漂白を受けることが大切です。

ここでは、一般的な「オフィスブリーチ」と「ホームブリーチ」についてご紹介します。

【オフィスブリーチ(オフィスホワイトニング)】
 歯科医院でプロが行うホワイトニングで、過酸化水素を含む漂白剤のペーストを歯の表面に塗り、光を照射します。
処置時間は1回につき、約1~1時間半程で、3~6回の通院を行うことでより良い効果が得られます。
目指す状態にもよりますが、ホームブリーチと比べると短時間で手軽に効果を得ることができます。
多少知覚過敏を生じることがありますが、通常は一時的なものであまり心配はいりません。
ただし、知覚過敏が強く出てしまった場合には、歯科医師に相談して適切な処置を受けるとよいでしょう。
オフィスブリーチは短時間で効果を得る為の処置であり、漂白効果、後戻りともに個人差が大きい傾向にあります。

【ホームブリーチ(ホームホワイトニング)】
 自宅などで患者さん自身が、漂白用のトレーを用いて行うホワイトニングで、トレーブリーチングとも呼ばれます。
漂白剤として用いられる10%過酸化尿素ゲルは、かつて歯肉炎や歯周炎の治療薬として研究されていたもので、作用がマイルドです。
歯科医院で採得した、お口の型を元に作製した専用のトレーの内面に、このゲルを入れて歯に装着すると、過酸化尿素が徐々に分解されて低濃度の過酸化水素が発生します。
1日2時間程のトレー装着を2週間程続けるのが基本ですが、アメリカでは6カ月装着しても安全であることが確認されています。
作用がマイルドである為に時間はかかりますが、透明感のある自然な白さが得られ、オフィスブリーチに比べると後戻りも少ないのが特徴です。
多少知覚過敏を生じることがありますが、一時的なものであり、適切な対応や処置により特に大きな問題となることはありません。
*ホワイトニングについて、詳しくは歯科医師にご確認ください。

ホワイトニングに適していない方

     ホワイトニング(ブリーチング)は安全性が確認された方法ですが、それでも禁忌症(絶対的禁忌及び、相対的禁忌)の方と、効果が得られない方が存在します。

  • 「無カタラーゼ症(過酸化水素を分解するカタラーゼ酵素を持っていない)」の方は、万一薬剤を飲みこんでしまうと危険な為、絶対的禁忌となります。(傷口にオキシドールを塗布した際に、泡が立たない方は無カタラーゼ症の可能性があります。)
  • 妊娠・授乳中の方は相対的禁忌です。(薬剤が直接害となることはありませんが、ホルモンバランスが大きく変化するデリケートな時期ですので、安全の為に避ける必要があります。)
    また、小児も歯の成長に影響を及ぼす可能性がある為、禁忌です。
  • 重度の歯周病の方も禁忌です。(歯根露出などの問題から、しみる可能性が高い為)
    また、健全でない歯(むし歯、くさび状欠損、咬耗症、亀裂が入っている歯など)、知覚過敏のある歯にも、ダメージを与える可能性がある為、使用できません。
  • 補綴物(さし歯などの人工歯)は漂白できません。
    ホワイトニング(ブリーチング)はご自身の歯であることが前提です。
  • 内因性変色がある方は効果を得られません。
    内因性変色とは「乳幼児期における疾患」「乳幼児期の薬剤(テトラサイクリン系抗生物質)の副作用」「エナメル質形成不全・象牙質形成不全」「無髄歯」「加齢による黄ばみ」などによるものです。
    ホワイトニング(ブリーチング)は歯の表面のエナメル質に働きかけるものであり、歯の内部の象牙質の色を変えるものではない為、内側からの変色には向いていません。
  • ホワイトニング中の「しみる」「痛む」などの知覚過敏の症状が強い方、歯並びが極端に悪くマウスピースの装着が困難な方も、ホワイトニングを受けられない場合があります。

ホワイトニングの禁忌症などについて、詳しくは歯科医師にご確認ください。

ホワイトニング処置直後及び期間中の注意点

 ホワイトニング(ブリーチング)直後は、歯の表面を保護している有機質の被膜(ペリクル)が一時的に除去され、歯の表面のハイドロキシアパタイトが剥き出しの状態になっています。
ペリクルが再生するまでの間(約1時間)は、フッ素の取り込みに優れますが、酸に溶けやすく、色素が沈着しやすい状態になっている為、飲食は控える必要があります。
また、ホワイトニングの適切な効果を得る為、ホワイトニングの期間中は色の濃い飲食物の摂取、及び喫煙は避けるようにしましょう。

【ホワイトニング期間中及び処置後24時間以内は避けた方が良いもの】

飲み物:コーヒー、紅茶、ウーロン茶、抹茶、ココア、赤ワイン、ジュース類、その他色の濃い飲み物や合成着色料を含む飲み物

食べ物:カレー、焼きそば、ミートソース、キムチ、チョコレート、醤油、ソース、ケチャップ、味噌、からし、わさび、ホウレンソウなどの色の濃い野菜、イチゴなどの色の濃い果物、その他色の濃い食べ物、合成着色料を含むもの

その他:タバコ、口紅、色付き歯磨き剤、うがい薬

ホワイトニング効果の持続期間について

 ホワイトニングは「一度処置すれば一生白い歯でいられる」というものではありません。
どの漂白法においても、食生活や喫煙などの生活習慣により、徐々に後戻りしていきます。
ホワイトニングによる白さを維持する為には、定期的に歯科医院を受診し、チェックとクリーニングを受け、必要に応じて再漂白(タッチアップ)を行う必要があります。
また、日頃から歯磨きをしっかりと行うことも、白い歯を維持する為の大切なポイントと言えます。

コラム 歯の色について

 健康的な歯の色は「やや黄色みのある象牙色」です。
しかも、1本の歯は先端(切縁部)から歯肉との境目(歯頸部)まで均一な一色ではなく、グラデーションがあり、歯頸部は切縁部よりも黄色く見えます。
この色の変化は、歯を構成するエナメル質と象牙質との違いによるものです。

*エナメル質と象牙質の色*
 歯の表面を覆うエナメル質は、明黄色から少し灰色がかった白色の半透明な組織である為、その下の象牙質の色が透けて見えます。
そして、象牙質はその名の通り象牙色(アイボリー)で黄色味がかっています。
歯頸部が黄色く見えるのは、歯の切縁部から歯頸部にかけて、エナメル質が薄くなっている為です。
前歯よりも犬歯や奥歯が黄色く見えることや、加齢により歯が黄色くなることも、エナメル質の厚さが関係しています。
また、遺伝や人種の違いによっても、エナメル質や象牙質の色味や厚さが若干異なる為、人によって歯の色に違いが現れるのです。

歯の変色

 歯は様々な原因により、黄ばんだり、黒ずんだりと変色してしまいます。
歯の変色の原因は、大きくわけて「外因性」と「内因性」の2種類に分類することができます。

【外因性変色】
 「むし歯」「色素沈着(飲食物の色素、喫煙によるヤニなど)」など

【内因性変色】
 「乳幼児期における疾患」「乳幼児期の薬剤の副作用」「エナメル質形成不全・象牙質形成不全」「無髄歯(神経を除去した歯)」「加齢による黄ばみ(エナメル質の摩耗)」など
(※薬剤の副作用として代表的なものに、1960~70年代によく使用されていたテトラサイクリン系抗生物質があります。歯の形成期に服用すると、歯の象牙質に着色を起こす場合がある為、現在では「妊娠・授乳中の母親から、8歳以下の小児」への投与は可能な範囲で避けるように指導されています。)

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